現状と今後の課題について
高齢者の増加によって、これからの日本は3人に1人が高齢となる時代がすぐそこまで来ています。それに伴い、加齢による不調や病気で病院を利用する人が急増すると見込まれているのが現状です。医療の現場では今後急増する患者にどう対処するかが、現状で最も重要な課題となっています。
日本看護協会は、そうした高齢者を含む全ての患者に十分なケアをするためには、看護師と准看護師が今より150万~200万人必要だと発表しています。しかし、看護師の数を増やすのは簡単ではありません。なぜなら、離職する看護師は毎年約2万人、看護師資格を持ちながら看護以外の仕事に就いている人が約17万人いるのが現状で、新しく看護師になった人がいても看護師の総人数が増加する事はないからです。
こうした背景には過酷な労働や、不規則な勤務等待遇への不満があると言われています。国は看護師1人当たりが担当する患者数を、今までの9人から7人に減らして看護師の仕事に余裕が出る様法律を改正しました。さらに多くの病院では、何らかの理由で看護に携わっていない看護師が不安なく職場復帰できるように、ブランク期間に一新した技術や知識の講習を度々行っています。また、家庭を持つ看護師は夜勤を減らすなど、不規則な勤務に対応している病院も多いです。
このような取り組みはまだ始まったばかりですが、看護師の中にはそうした制度によって離職を思い留まったり、復帰を検討する人もいるので医療の現状を解決する事に対する効果はあると言って良いでしょう。